一定期間更新がないため広告を表示しています

  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

 10月12日(土)13日(日)16時〜21時に開催した、元割烹 松下での「帰ったよ!旅マサーカス団」大盛況の元終了いたしました

今回初のナイトマーケットに廃墟寸前の建物を使用した、旅するマーケットの開催
当初は二の丸での開催を予定していましたが、松下を開催前に見学させてもらってから
この建物でなければやりたくないという気持ちになりました
その理由は、実際今回のマーケットにいらしていただいた方はご理解いただけると思います
見学時の廃墟寸前にカビで覆われた、電気の通らない暗い建物を見た時ははっきり言って
どうなることかと思いました。

皆でお掃除ワークショップに行き、せっせと掃除をして綺麗になっていく松下をみて
この建物をみんなに見てもらいたいという気持ちになりました、何度も通っていくうちに
親近感を抱くほどになりました

マーケットでは沢山の方に来ていただき、楽しんでもらいました
長年閉ざされた空間が生き生きして見えて、カビ臭さもいつの間にか無くなって行きました
この松下の変化を見て嬉しい気持ちになりました、これからこの建物がどうなるのか
私にはわかりませんが、またあのかび臭い廃墟になりゆくだけを見ていくのは忍びない気持ちになります。生き返った松下が有効活用できますように願うばかりです。

今回の開催のお話をいただいた「あきたアートプロジェクト」様、参加頂いた皆様、松下にお越しいただいたお客様、お手伝いしてくれた旅マメンバーズの鎌田学君あかねちゃんご夫妻
red house 芳賀洋介氏、今回の全てのデザイン、コンセプトの手助けをしてくれたLittle A
お着物提供 小松クラフトスペース、トクの部屋ディレクション「昭和堂」庄内さん、小松和彦
ばっけ隊ボランティアの皆様
ありがとうございました!感謝です!

開催中写真のご紹介、沢山のお客様で写真を撮ることが出来ませんでしたので少しばかしですが
どうぞお楽しみください



昭和堂さんはマニアックな文具もので攻めましたが、意外と好評の様でした



19番に鎮座いたしますは、三代目でありました



異界の厨房に相応しい、飲食のMVPは「シェフアキラ



遅い時間の開催ながら、こんな可愛い子供達も沢山来てくれました



案内人を務めたLittle A お着物ぴったり!お似合いでした




1日目はまた違うお着物で、提供は小松クラフトスペースです。代表は秋田八丈を着せてもらいました



2日目はお召し換え、コジマキちゃんもお着物で参加です。書生風の学君もかなり板について
好評でした

楽しい日々はすぐ過ぎます・・
また会う日まで

旅マサーカス団よさようなら






 

 帰ったよ!旅マサーカス団 1日目 異界の扉が開き

予想以上のたくさんのお客様にいらして頂きました。松下と異界の民として参加していただいた皆さ

んの大きな力を感じました。

華やかな時代を知っていたオジ様、オバ様、旅するマーケットのいつものお客様、「時花」を見にいらしたアートに興味があり旅マが初めてのお客さま、老若男女の様々な年代の方が迷路みたいな松下を楽しそうに見て回っているのが印象的でした。

初めての場所で至らぬ点等がありご迷惑をおかけしたところもありましたが
本日ひらく最後の異界の時間を楽しみにどうぞいらしてくださいませ

※お願い※
_饐譴大変込み合う可能性があります、内履きスリッパの数に限りがありますので、マイスリッパをお持ちいただけたらありがたいです。

玄関が大変混み合う可能性があります、ご自分の履物をビニール袋に入れて館内にお持ちいただければ、お帰りがスムーズに出来ます

2饐譴任配りしている通行手形は、飲食以外の店舗で500円のお買い物で1つはんこを押印してもらえます。「空の木garden」さんと「星雪館」さんはハンコの押印可能です。
通行手形の残り数に限りがありますので、通行手形はおひとり様1枚といたします

今夜も16時〜21時までの開催となります、元割烹 松下での旅するマーケットをお楽しみくださいませ


では昨日の楽しい時間を写真で紹介



異界の扉が開きます





Sweet Marketさんの可愛い三人娘!



隣では「シェフアキラ」・・



toratoriさんの看板も怪しい雰囲気



賑わっております、こちら8番



ミキオバー



ミキオのメニュー



となりでは人気のまちよの似顔絵



大広間40番の賑わい



空の木Garden さんにうさぎ出現



怪しさ満載のcaracol record



18番の草どころ緑



18番 blank+



18番 パリの蚤の市



19番 ヒマワリ雑貨店



19番 昭和堂さんは版画が沢山



人気の池田修造



19番 小松クラフトスペース 明かりが映えます






8番 toratori きのこが可愛い♪



Mousai のフェルト作品



仙台より! ヨウルプッキさん




旅マメンバーズであり、優れたデザインをいつも作ってくれる Little Aお着物で案内人を努めます







 明日の16時!ついに閉ざされた場所の扉が開く

「帰ったよ!旅マサーカス団」は元割烹 松下にて
12日(土)、13日(日) 16時〜21時の開催です。

ご紹介できていなかった異界の民

「アメヤ珈琲」
「青い鳥のレストラン」
「しばらくやホルモン」  どちらも両日の参加で、異界厨房にての出店です

この松下にもう何回入っただろうか、おとついから掃除などでほとんど終日松下に滞在していました

搬入に来る旅マの方が口々に、「広くてすごい建物だったんだねぇ」とびっくりしていて
何回も松下に入って、麻痺した頭にその言葉が新鮮に聞こえました
松下の廊下を裸足で歩く時が来るなんて、初めて入った時の真っ白くなったカビを見たとき
想像もできませんでした。

いよいよ、いよいよです!風情ある料亭建築にマーケットの陳列がぴったり合っていて
ワクワクします。その内部を少しご案内しましょう



大きい「帰ったよ!旅マサーカス団」の看板。どうぞいらっしゃい、異界はこちらです




入口から長く続く廊下。どうぞどうぞもう少し奥でございます




旅マブーススタートのお部屋は「トクの部屋」。
「百子の部屋」スピンオフ物語、遊女トク 20歳のお部屋はこちらですよ
旦那様




いろんなお部屋があります、旅マで使用するお部屋には全て部屋番号が掛けてあります

少しづつ搬入がはじまり、既に完成したところも

この夜の松下には商品はよく映えます




パリの蚤の市 in Akita





ヒマワリ雑貨店さん 



本格的なセッティングでポートレートを撮るオジモンカメラのブース

異界の厨房、トクの部屋、8番、18番、19番、40番にて
12日、13日16時〜21時まで!

みなさんのお越しをお待ちしております!


「帰ったよ!旅マサーカス団」にいらっしゃるお客様へお願い

松下は廃業してから数年、今回使用するところを掃除いたしましたが
明治の建物部分もあるので、少し汚れたところもございますが
そういったところも風情とお楽しみください。

松下はかなり広い建物です、今回使用できない箇所もございます
そのお部屋には「この先立ち入り禁止」の張り紙などがしてありますので
その表示に従って館内をご覧下さい


季節柄カメムシの侵入が見られます。秋田市にお住まいの方はあまり見慣れない虫かもしれません
人に害はありませんが、潰したりすると臭い匂いがいたします
ガムテープで捕獲しゴミに捨ててください。ガムテープは用意してありますので
案内人にお声かけくださいね

 松下へいらっしゃる際は、駐車場がありませんので

お手数ですが車以外の交通手段でいらっしゃるか、近辺の有料駐車場に駐車頂けたらと思います。

松下へお入りの際はスリッパを用意していますが、数に限りがありますので

ご自分で内履きをお持ちいただいても結構です。

お履きの靴は入口に置いても結構ですし、ご自分でお持ちいただいたビニール袋等にいれて頂き、お持ちになってお入りください。

万が一、靴などの履き違えなどのトラブルがありましても、こちらでは責任を持ちませんので宜しくお願いいたします。







今回の松下にて「百子の部屋」のスピンオフ企画、「トクの部屋」の展示をいたします
こちらでつらつらとそのベースとなる、「トクの恋」のストーリーを紹介していました

こちらのストーリーテラーと言えば!
小松クラフトスペース三代目であります、意外と・・・?!情緒的な表現を作り上げており、はては推理小説に持ち込もうとしています。
遊郭という自分の好きなジャンルとなれば気合も違います
こちらのお話は11/2に開催する、あきたまちなか大学「光と影の文化 遊里をゆく」に合わせて
完成する予定だそうです。どんな結末になるのか・・どうぞお楽しみに!



小松クラフトスペース




インドのアイアンの灯りを中心に世界各地の手工芸、雑貨、アンティーク、アクセサリーなどを出品いたします。
ナイトマーケットの出店は初めてなので楽しみにしております!東南アジアのチェンマイやルアンパバーンなどにあるナイトバザールが好きで、あんな雰囲気のクラフト市があればいいな、と常々思っていました。今回はさらに普段公開されていない歴史ある料亭建築での開催。すべての条件が出揃った中でのマーケット、ドキドキしますね〜!

小松クラフトスペースでは10月11日(金)から『群言堂と昭和堂展』と『山本景子・木の仕事展』を開催しております(11月2日まで、期間中無休)こちらに方にも是非!

小松クラフトスペースは19番のお部屋にて両日の参加となります





日程:1012(土)13日(日) 16時〜21

場所:千秋公園 旧割烹 松下
来店くださるお客様へお願い
松下へいらっしゃる際は、駐車場がありませんので

お手数ですが車以外の交通手段でいらっしゃるか、近辺の有料駐車場に駐車頂けたらと思います。

松下へお入りの際はスリッパを用意していますが、数に限りがありますので

ご自分で内履きをお持ちいただいても結構です。

お履きの靴は入口に置いても結構ですし、ご自分でお持ちいただいたビニール袋等にいれて頂き、お持ちになってお入りください。

万が一、靴などの履き違えなどのトラブルがありましても、こちらでは責任を持ちませんので宜しくお願いいたします。

 
今日は雨でした、今週末松下の「帰ったよ!旅マサーカス団」に、沢山の方に来てもらえるように事前に再度かるーくお掃除に行ってきました。

雨の松下に一人とは何ともしんみりとした心持ちでしたが、静かにマーケットの仕上がりを想像して
いい心持ちになりました。

異界の民の紹介もあと少し!締め切り間近の如く怒涛の更新であります


Sweet  Market







稲庭うどんとフライドポテトを調理して出します。
あとお弁当、お惣菜類は、ベジカレー、焼きそば、トマトパスタ。大豆唐揚げ、大学芋等です。
ドリンクはオーガニックジュース、三年番茶、ゆずティ、天然果汁のスカッシュや酎ハイ、オーガニックビールを出します。
 
Sweet  Marketさんは異界の厨房にて両日参加いたします








  

飲食部門を今回は異界の厨房と称しておりますが
その名称がぴったりな方々の参加で、個人的に嬉々としております(褒めているつもり)

お願いしたこちら側の、さらに予想を上回る布陣で参加をするのは

 その名もシェフアキラ  


この時間に紹介するのが憚られるメンバーです、いろいろ言ってますが
かなり楽しみなメンツと内容ですので、皆様も異界にいらしたと思って目をつぶって・・いや、楽しんでくださいね!








シェフアキラは異界の厨房にて両日の参加となります






日程:1012(土)13日(日) 16時〜21

場所:千秋公園 旧割烹 松下
来店くださるお客様へお願い
松下へいらっしゃる際は、駐車場がありませんので

お手数ですが車以外の交通手段でいらっしゃるか、近辺の有料駐車場に駐車頂けたらと思います。

松下へお入りの際はスリッパを用意していますが、数に限りがありますので

ご自分で内履きをお持ちいただいても結構です。

お履きの靴は入口に置いても結構ですし、ご自分でお持ちいただいたビニール袋等にいれて頂き、お持ちになってお入りください。

万が一、靴などの履き違えなどのトラブルがありましても、こちらでは責任を持ちませんので宜しくお願いいたします。


いつでも旅マは旅行に憧れている・・という訳でイベントの名前はいつもどこかの国へ旅しているという設定です。
様々なところへ旅をしてきた旅マですが、印象的な旅立ったなぁと個人的に記憶に残っているのは

「緑の国へ行く〜星雪館編」。西木にある農家民宿の星雪館の窓から望む、景色が素晴らしく
この緑まばゆい星雪館にて旅マをやりたいと思ったのが始まりでした
あれは2010年の7月のこと、あれから暫く星雪館さんとは旅をしていないなぁと思っていた矢先
今回の松下の旅マに参加していただける!とのご連絡

昭子母さんの作るほっくりおやきが楽しみでならない、代表です。

 星雪館



お焼き、ゆべし、栗ごはん、おはぎ、ほうれん草
いんげんなどの販売です

星雪館は40話のお部屋で両日の参加です





日程:1012(土)13日(日) 16時〜21

場所:千秋公園 旧割烹 松下
来店くださるお客様へお願い
松下へいらっしゃる際は、駐車場がありませんので

お手数ですが車以外の交通手段でいらっしゃるか、近辺の有料駐車場に駐車頂けたらと思います。

松下へお入りの際はスリッパを用意していますが、数に限りがありますので

ご自分で内履きをお持ちいただいても結構です。

お履きの靴は入口に置いても結構ですし、ご自分でお持ちいただいたビニール袋等にいれて頂き、お持ちになってお入りください。

万が一、靴などの履き違えなどのトラブルがありましても、こちらでは責任を持ちませんので宜しくお願いいたします。




 トクの部屋、前回までのお話はこちら

トクの人生と遊郭の華やかさ、悲しさが重なって切なくなる秋の夜長です


トクの恋・第二部「春から冬へ」 阿部マコト『あきた女郎伝』より




トクさんが娼売を始めて最初に馴染みになった客は米の仲買人をしている山本という40代後半の男だった。役所や軍にも顔が効くやり手の商売人で、妻子はいるが遊郭でも羽振りのいい根っからの遊び人である。
元々器量よしで美人だったトクさんを山本は一晩で気にいった。何度か通ううちに山本は「トクを身請けしたい」と言いだしたという。まだ光雲楼に入って一年も経たぬうちに身請けの話が出るのは特例で、それが原因で同僚の娼妓仲間からは随分妬みをかった。私が子どもの頃の記憶にあるトクさんはいつも優しかったが、どこか孤独な印象があった。その事をトクさんに話すと「んだ。あまりしゃべる友達いねえがら、おめえと遊んでたんだ」と笑った。
山本との間はあくまで客と敵娼という関係でしかなかったという。
「あの男はしつこい嫌な奴だった。おれさ一度病気をうつしたこともあった」
「それだけだったのか」
「いや、実は好きな人もいだったんだ」
そう話すとトクさんは一瞬艶っぽい表情になった。
トクさんが好きになった男は辰雄という20代の青年建築家だった。家は貸金業で恵まれた少年時代を送っていたが、昭和恐慌のあおりを受けて破産。苦学しながら東京で建築を学び、秋田に戻ったばかりだった。光雲楼で初めて敵娼になった時から二人は惹かれあった。辰雄は「あんなええ男は秋田にはいねがった」とトクさんが語るように紳士的で東京帰りの洗練された魅力があったようだ。彼は私の父とも縁があり、「ニイサンと辰雄さんと店の妓と一緒によく映画も見に行った」という。トクさんは秋田に来る前、地元で何度か映画を観たことがあったが、それらはすべて板東妻三郎主演のチャンバラ映画で、以来板妻が唯一のご贔屓だった。歌は村の祭りや祝い事で歌われる民謡ばかり。しかし辰雄さんはチャップリンの映画やアメリカのJAZZを東京で見たり聞いたりしてきているので、トクさんには別世界の人だったようだ。
辰雄が好きだったから、バッパに山本の身請けの話は断るように頼んでいたのだ。しかしそれはトクさんにとって苦労の始まりだったかもしれない。
昭和16年、大東亜(太平洋)戦争が開戦し、どこも挙国一致の戦時体制になった。遊郭内でも着物よりもモンペ姿で出るように指示された。辰雄としばらく会えずに寂しいと思っていたトクの所に、ニイサンが悲しい知らせを持ってきた。それは辰雄が社会主義運動に参加していることが公安の知るところとなり、スパイ容疑で逮捕されたというのだ。
「あの頃はアカだと分かれば特高や憲兵に連れていかれて生きては帰られながった。辰雄さんがそんた事してたとはな」
辰雄が光雲楼に出入りしていたことが世間に知られたら大変だと、ニイサンも心配しており、今後誰にも辰雄の話は慎むようにと固く口止めされた。その時のトクさんの悲しみは計り知れない。
戦争が激化すると兵隊さんのお客が増えた。ある晩、師範学校を卒業したばかりでこれから南方戦線へと出征する青年がトクの客になった。翌朝、見送り際にトクは「兵隊さん、生きて帰って来てね」と労った。青年は突然涙を流しながら「親兄弟はお国の為に死んでこいと言うのに、生きて帰って来てくれと言ってくれたのはネエさんだけだ」と言って泣き崩れた。その青年とは二度と会うことは無かった。
昭和19年2月、戦時下の元、すべての遊郭は営業を停止させられ、トクも軍需工場へ働きに出た。彼女にとって長い冬の時代は始まったばかりだ(続く)


こちらの続きは11/2(土)に開催される、あきたまちなか大学「光と影の文化、遊里をゆく」に合わせて更新していきます。どうぞお楽しみに!

※物語は全てフィクションです
※「トクの恋」の作者は、「光と影の文化、遊里をゆく」にてモデレータを務める 小松和彦(小松クラフトスペース三代目)によるものです
※トクをイメージした部屋を松下に作ります、展示提供は昭和堂です。展示物の販売も致しますのでどうぞお楽しみに!





日程:1012(土)13日(日) 16時〜21

場所:千秋公園 旧割烹 松下

秋はイベントの季節、久しぶりの休日の日曜日愛犬を連れて
横手の「お城山クラフトフェア」に行ってきました。




こちらへは三回目のお邪魔でしたが、年々参加者も、お客様も増えて
大変賑わっていました。
旅マでお世話になっている方々も沢山、皆さん頑張っているなぁと嬉しくなりました
さて!今週末は「帰ったよ!旅マサーカス団」として松下での旅するマーケット

参加の方々のお力を借りて、頑張るぞぅ

まだまだ異界の民の紹介続きます! 


SPXMONI(ぽちぽち/slightly




  かぎ針編み、フェルト小物、布小物、ポストカード、ペーパークラフト

SPXMONIは40番にて両日の参加となります





日程:1012(土)13日(日) 16時〜21

場所:千秋公園 旧割烹 松下

 
トクの部屋、前回までのお話はこちら

物語はいつしかサスペンスの香りを帯びていきます・・・

捜査1・遊郭跡へ ― 百子の手記

『あきた女郎伝』を読んで以来、私はその話に出てくる女性が祖母・トクのことなのか確かめたくて寝ても覚めてもそのことばかり考えていました。おかげでバイト先の紅玉でもお客様の注文を間違えたり、グラスを割ってしまったりで紅店長に迷惑をかけてしまう始末。こうなったら自分で調べてみるしかない。父に聞いても絶対答えてはくれないだろう。いっそ本の著者である阿部さんを探すか、光雲楼があった秋田市に行って知っている人を探すしかない。いろいろ考えた結果、休みの日に秋田市へ電車で向かう事にしました。
かつて秋田市にあった遊郭の場所はネットで調べると簡単に見つかりました。秋田駅からバスに乗って10分ほど。今は普通の住宅地になっていて、遊郭らしき古い建物は何一つ残っていません。何か手掛かりはないか、しばらく考えていたら父と同じくらいの年のおじさんが通りに面した一軒の家から出てきました。
「すみません、この辺りにあった遊郭について調べているんですが・・・」思い切って尋ねかけると、おじさんはビックリした様子で私を見ました。
「うん、俺が幼少の頃はあったけど、それがどうした?」
「光雲楼という女郎屋はなかったですか?今その店の事を知りたくてここに来たんです」
そう言って持参していた本を見せながら、私がここに来た経緯について簡単におじさんに説明しました。
おじさんはしばらく考え込むと「光雲楼か。それは知らないな。もっと年をとった人に聞いてみようか」と近所の家に連れて行ってくれました。
その家からは70歳をとっくに過ぎたおじいちゃんが出てきました。しかし光雲楼の名前を聞いても「そんな店はここには無かった。他の町内にあった女郎屋でもその名前は聞いたことない」、阿部という人の消息を尋ねても「そんな名字の家はこの町にはいなかった」とのこと。私は本に騙されたような悔しい気持ちでいっぱいになりました。そんな私の姿を見てなのか、最初に会ったおじさんが慰めるように言いました。
「お嬢ちゃん、もしかしたらその本を書いた人、自分の名前も店の名前もすべて仮名にしているかもしれないよ。売春防止法が昭和33年に施行された後、何人かの楼主はここから県外へ出ているし、そうなればもうこの町内の者は知りようがないべ」
すると隣にいたおじいちゃんが「んだ。女郎屋があった時はそれは賑やかだったどもな。みんなあまり思い出したくねえんだ。おめえもあまり掘り返すな」と言って家の奥に引きさがっていきました。
私はどうする事もできず、とりあえずおじさんにお礼を言ってその町を後にしました。本に書かれている内容は真実なのか嘘なのか、あの町の人が知っている情報が正しいのか間違っているのか、何か煙に巻かれているような気持ちで秋田駅の方向にトボトボと歩いて行きました。

トクの恋・第二部「春から冬へ」へ続く

※物語は全てフィクションです
※「トクの恋」の作者は、「光と影の文化、遊里をゆく」にてモデレータを務める 小松和彦(小松クラフトスペース三代目)によるものです
※トクをイメージした部屋を松下に作ります、展示提供は昭和堂です。展示物の販売も致しますのでどうぞお楽しみに!






日程:1012(土)13日(日) 16時〜21

場所:千秋公園 旧割烹 松下



 


PR

Calendar

S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< June 2017 >>

Archive

Recommend

Mobile

qrcode

Selected Entry

Comment

  • 斎藤洋(風布)×高木絵麻(えまぐるみ)面白い人たち
    puratto加藤一恵子
  • くだらないとな日々
    izumimi
  • くだらないとな日々
    ASSOBOO
  • 束の間の夏休み
    izumi
  • 束の間の夏休み
    いばさく
  • バーンロムサイ くまとパリの恋するアクセサリー終了
    izumi
  • バーンロムサイ くまとパリの恋するアクセサリー終了
    いばさく
  • 忠犬明日香激励会の巻
    izumi
  • 忠犬明日香激励会の巻
    れっど
  • 四十の年
    izumimi

Link

Profile

Search

Other

Powered

無料ブログ作成サービス JUGEM